精子ができる袋(陰のう)が体の中にないワケ。
野球などのボールが男の急所に当たると死ぬほど痛い・・・。
これは体験した者でないとわからないでしょう。
もちろん、弱いところだからという理由もありますが、それだけではありません。
陰のうに入っているこう丸が、当たった衝撃でお腹のほうに上がってしまうからなのです。
それにしても、陰のうは精子をつくるための大事な袋なのに、なぜ危険な体の外に出ているのでしょうか。
それは、こう丸がお腹の中にあると、精子がつくれないためです。
つまり、体の内部の温度では高すぎて、精子ができないのです。
そこで内々より2,3度低い温度の、体の外の袋で精子をつくるというわけです。
ところで、こう丸は最初から外の袋に入っているわけではありません。
胎児のときはお腹の中にでき、徐々に下に下りてきて袋におさまるのです。
その時期は、受精してから7か月目くらいだといいます。
しかし、なかなか下りてこない場合もあって、これを停留(ていりゅう)といいます。
これは珍しいことではなく、新生児の7~8%の割合でみられるそうです。
たいていは1歳くらいまでに下りてくるのですが、1歳をすぎても下りてこない場合は、手術で引っぱり下ろすことになります。
もし、これがうまくいかない場合は、精子がつくられないことになるのです。
また、お腹の中にこう丸があると、そこからガンができやすいともいわれています。
このように、しかるべきところにおさまらなければいろいろ支障をきたすので、やはり、多少のリスクがあっても、体の外に出しておくしかありまあせん。
ちなみに、急所にボールが当たってこう丸がお腹の中に入ってしまった場合は、腰のあたりを後ろからトントンたたいたり飛び跳ねたりすれば、元通り袋の中に下りてきますから、ご安心を。