人間の声は、いくら練習しても低音域に広がらない。
普通、私たちが出せる音域は、広い人でも2オクターブだといわれています。
ところが、オペラ歌手のようなプロには3オクターブの人はざらで、中には4オクターブ以上という音域を誇る人もいます。
この違いは、もちろん訓練によるもの。
声帯は靭帯の一種で、肺からの空気で振動して声を出すようにつくられたものです。
脚などの靭帯は鍛えるほど強くなるものですが、声帯も同じで、練習次第で音域を広げることは可能です。
ところが、広音域を誇るプロの歌を聞いていて、何か気づきませんか。
実は彼ら彼女らにしても、高音域だけが広がっていて、低音域は元のままなのです。
声帯というのは、振動する部分を短く細くしたりして高い音を出すことはできますが、持って生まれたもの以上にその長さや太さを増すことはできません。
このため、どんなに訓練しても低音域を広げることは不可能なのです。