貝にある舌のような物体、実は”足”
アサリやハマグリなどの二枚貝には、二本の管と、何やらベロベロした舌のようなものがついています。
管の役目は水を吸う口と吐き出す口です。
一方の口から海水を吸い込んで、水中の酸素やプランクトンを体内に取り入れた後、もう一方の管から不要な水を排出するというわけ。
これは、他の多くの貝類や海中の軟体動物と同じ方式です。
では、舌のような物体の正体は?
実は、貝にとってこれは舌ではなく、足なのです。
普段は貝殻の端、足のあるほうの端を海底や泥や砂の中に埋めるようにして、しっかりと立っています。
そしていざ移動する時には、貝殻の隙間から足を出し、海底をグイッと押しながらが前進します。
潮干狩りの際、干潟から掘り出されたアサリが、砂を叩きつけるようにして勢いよく動き回ることもあります。
宙にこそ浮かばないものの、勢いよく跳ね回るといった感じ。
ありあまる元気に驚かされたりもしますが、あれは不意打ちをくらって砂の上に出されたあさりの、精一杯の逃げ足なのかもしれません。