SOSの略語には意味がない?
「そんなバカな」
と言いたくなるのが「SOS」の意味です。
普通は救難を示す英語の略語だと思うでしょう。
たとえば”Save Our Ship”(我らの船を救え)とか"Save Our Souls"(我らの魂を救え)と考えます。
しかし違うのです。
日本船舶協会のウェブサイトには
「SOSにもCQDにしても単に打電しやすく聴き取りやすいモールス符号の組み合わせで、特別な意味はない」
とあります。
とはいうものの、1904年無線通信が実用化されたとき、マルコーニによって提案されたCQDのCQは受信局向けの注意信号であって、Dは”Distress”(遭難)からきています。
1906年、万国無線会議でSOSが採択され、日本は1908年に批推しました。
CQDが初めて使われたのは1909年1月アメリカ東海岸で「フロリダ号」と「リバブリック号」が衝突したときです。
この時はモールス信号で約1500人が救われています。
SOS信号は1909年にアゾレス諸島で難破した「スラボニア号」で初めて使われました。
「タイタニック号」の使用は1912年です。
日本では1989年の北海道大雪山系で東京からの登山客2人の救助事件が有名です。
ヘリコプターが山中でシラカンバの倒木3本で作ったSOSのサインを発見し、約2キロメートルほど離れた場所で遭難者を発見、救助しました。
そこでシラカンバのSOSは遭難者が作ったものではないかと聞くと「それは知らない」といいます。
それでは付近に別の遭難者がいるのではないかと捜索したところ、1984年に行方不明となった青年の白骨遺体を発見したのです。
短点(トン)と長点(ツー)の組み合わせでだけで構成されている符号でできた信号。
遠洋航海の船舶間や陸上との通信において、長い間モールス通信が行われてきた。
しかし、通信衛星の登場によって、1999年2月以降、モールス通信は基本的に使われなくなった。
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