江戸時代の「歯ブラシ」は楊枝、では「歯磨き粉」は?

今では、楊枝というとつま楊枝のことを指しますが、もともとは歯を磨く歯ブラシのようなものでした。

楊柳(ヤナギ)の先をつぶして細い繊維状にしたものなので、楊枝といったのです。

先が減ったり曲がったりすると削り取ってつくり直し、かなり減るまで使いました。

でも、ヤナギの枝がいくらよくしなるといっても、これで歯を磨くのはかなり痛そうです。

何しろ木の繊維ですから、今の歯ブラシよりはずっと硬かったでしょう。

元禄時代には歯磨き粉市場に出まわり始めましたが、これが砂に香料を混ぜたというすごいもの。

エナメル質がいっぺんにこそげ落ちてしまいそうです。

すすぎ残しでもでもしたら、ジャリジャリと砂を噛むような、味気ない気分になりそうです。

当時、男の白い歯はとても粋なものとされていたので、若い男は競って歯を磨きまくっていたらしく、文化・文政時代には、何と100種類を超える歯磨き粉が市場に出まわっていたそうです。

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