太陽が好きな木と日陰が好きな木がある

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「陽樹」と「陰樹」

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、その名の通り、太陽を好む木と日陰を好む木のことです。

森ができるときには、まず強い日光や風、土の乾燥、虫にも負けずに成長できる陽樹が育ちます。

生命力の強い陽樹は、早く大きくなって、実をたくさんつけて増えていきます。

土の質が良くなくても、平気でどんどん広がっていくのです。

日本の平地ではアカマツ、山地ではシラカバやカラマツなどがこれです。

陽樹の林には、やがて下に草や低い木が生え、落葉なども腐って混ざり、次第に土が肥えてきます。

そして、陽樹がうっそうと茂って林の中が薄暗くなってくると、陰樹が伸びてくるのです。

ブナやトドマツ、シイなどです。

こうして陽樹だった林は、何百年もの年月をかけて徐々に陰樹へと入れ替わり、安定した森が形成されます。

これから先は、森の木が吸収する栄養分と、落葉などの形で土に返す量がだいたい同じになるので、土の量や中の栄養分は一定となるのです。

この状態になった森を極相と言い、人間が手を加えたり、気候が大きく変わらない限り、木の種類も、木の数もあまり変わりません。