5か月間も海に潜ったままのカメがいる!?
「鶴は千年、亀は万年」というように、亀は長寿のシンボルとして、おめでたい動物の一つに数えられています。
現在、世界中には約240種類のカメがいます。
陸性、水性、水陸両性、海洋性の4タイプに分かれ、体の構造もそれぞれの生活スタイルに適応した変化が見られます。
たとえば海洋性のウミガメ類は、水の抵抗を少なくするため、甲は軽く平になり、足は扁平なオール状です。
また、陸生のカメと違って、頭や足を引っ込めることができません。
これは水の中に外敵が少なく、その必要がないからです。
ウミガメの中で、もっとも水中生活に適応しているのがオサガメ。
スピードだけでなく、水面下1200メートルまで潜水できるというから驚き。
深さだけならクジラやキタゾウアザラシといい勝負ですが、オサガメは、一回の潜水で、なんと150日、約5カ月間も潜っていられるのです。
その秘密は、エネルギー源を脂肪からグリコーゲンに切り替えて、酸素を使わずに動き回れるようにしているからです。
これには体の大きさも無視できません。
オサガメの体重は最大900キロにもなります。
あの巨大なゾウガメですらせいぜい300キロですから、オサガメは大型のワニと並んでもっとも大きい爬虫類。
動物のエネルギー消費量は、体が大きいほどエネルギーを無駄遣いしなくて済むのです。
さらに、大きい体は断熱効果も高いため、オサガメは北極付近の冷たい海の中でも平気で泳ぎ回ることができるというわけです。