なぜ台風は左回りの渦をつくるの?
洗面台や浴槽の栓を抜いて水を流すとき、水が排水溝の中にぐるぐる渦を巻きながら流れ込んでいくのを見たことがあると思います。
たいていの場合、この渦は時計とは反対回りになっています。
なぜでしょうか?
地球はぐるぐると毎日1回転する自転を繰り返しながら、太陽の周りをまわっています。
このとき水は地球の自転の力を受けます。
もしあなたが赤道に立って北極の方を向いたとすれば、地球は右へ右へと回っていることになるので、左側から力を受け続けます。
この力は赤道が一番強くて北極に近づくほど弱くなるので、水は時計と反対側にぐるぐる回ることになるわけです。
この力を「コリオリの力」といいます。
コリオリ力は1835年にフランスの化学者ガスパール・ギュスターヴ・コリオリが見つけました。
たとえば台風などの低気圧で、風が低気圧の中心に向かうようにはあ吹かないで、中心を回る方向に吹くのはコリオリ力のためです。
北半球の台風は、ほとんど反時計回りに吹きます。
もし、あなたが赤道に立って南極(南)の方を向けば、自転の力を右側から受けることになります。
だから南半球では水の渦は時計回りで流れていくことになります。
しかし、これは水に地球の自転以外の力がかからなかった場合の話です。
たとえば北半球にいるあなたが風呂にたまった水を流すとき、水を手で時計回りにぐるぐるまわしてから栓を抜いたとしたら、水はきっと時計回りのまま流れていきます。
実際のコリオリの力はとても小さいので、渦巻きはちょっとしたことで変わってしまうのです。
[surfing_su_box_ex title="コリオリの力"]地球は東向きに移転しているので、北半球で南から北に向って運動しているものには東向き(右向き)北から南に向かって運動しているものには西向き(左向き)の力が働く。[/surfing_su_box_ex]