ウグイスという名前は鳴き声が由来
スズメは「チュンチュン」、カラスは「カアカア」、ウグイスは「ホーホケキョ」。
もちろん地域や時代によって表現に違いはありますが、一般に鳥の鳴き声は、表現のしかたが決まっています。
その鳴き声から名づけられた鳥もいて、カッコウやホトトギス、チドリ、ヒヨドリなどがそうです。
ホトトギスの鳴き声は、現在では「テッペンカケタカ」と表現されることもありますが、昔の人が聞いた「ホットットキトキ」というのが名前になっています。
また、チドリは「チ、チ」、ヒヨドリは「ヒーヨ」という鳴き声からきています。
ところで、興味深いのはあの美声で知られるウグイスです。
「日本釈名」という書物では、ウグイスのウグは奥という言葉が変化したもの、イスはイヅ(出づ)のことで、春になると谷の奥より出てくるという意味の「奥出づ」が名の起こりだと記されて、それが定説とされていました。
ところが、これには異説があります。
山口仲美氏は著書「ちんちん千鳥のなく声は」で、江戸時代の「雅語音声考」という書物に、ウグイスの声は「ウウウクヒ」とも聞こえる、これに鳥を表す接辞の「ス」(カラスと同じ)がついたものだ、と記されていたというのです。
幸田露伴も「ウーグヒス」と聞こえると言っていたそうです。
山口氏はさらに、平安時代の短歌に鳴き声が記されてしかるべきところに「うぐひす」とある謎も、鳴き声説ならば説明できる、としています。
ウグイスの鳴き声、あなたはにはどう聞こえますか。