ヨーロッパで食べる日本食がおいしくないワケ
各国の水の違いは、料理法まで変えてしまいました。
素材の持ち味を生かした薄味が身上の日本料理は、やはり水のおいしさがあってこそできるもの。
カルシウムやマグネシウムの多い硬水では、タンパク質を硬くし、素材をまずくしてしまいます。
そのため、ヨーロッパでは野菜から出る水分を利用したり、ワインや牛乳、生クリームを加えるなど、こってりとした味付けをすること多いのです。
洋風料理に欠かせないスープストック(牛、鶏、魚、野菜などからとっただし汁)は、硬水をおいしくするための方法。
材料の鶏、牛、豚などの骨にはコラーゲンが含まれていて、これを加熱してできたゼラチンが水の中のマグネシウムを取り除いてくれます。
素材が同じでも、水によって次のように調理法は変わります。
たとえば、日本では水で炊くお米。
ヨーロッパでは、油で炒め、さらにスープストックを加えて炊くのです。
日本でたっぷりの水でゆでる野菜も、硬水を使うとおいしくゆであがりません。
つまり、日本では世界各地の料理がつくられますが、ヨーロッパでは日本料理をつくろうとしても難しいというわけです。