炊きたてのご飯はどうやったらおいしく保存できる?

大阪・堺市に「銀シャリ屋コゲ亭」という伝説の飯屋があります。

ここで1963年から半世紀以上飯を炊き続けた村嶋孟さんのことを人は「飯炊き仙人」と呼んでいます。

80歳になった2015年にいったん引退しましたが、2017年に再び店に戻って飯を炊き始めました。

この間に村嶋さんは中国政府に招かれ、現地で飯の炊き方を伝授する活動をしており、このことが現場復帰の動機になったそうです。

 

日本の電気炊飯器メーカーの中には、この村嶋さんの飯炊き技術を製品に反映しようという会社まで現れました。

今や日本製の電気炊飯器は、それほどおいしいご飯を追求するまでになっています。

来日する中国人がこぞって買い求めることでも、その素晴らしさがわかるはずです。

炊き上がりだけでなく、そのおいしさを保存するうえでも最新技術が生かされるようになっています。

 

ある雑誌が、どんな方法でご飯を保存すればおいしさを保てるのかを検証しました。

 

それによると最近の炊飯器では温度・湿度の制御により、炊いてから3~5時間くらいまではおいしさを保てることがわかりました。

また一般に広く取り入れられている、「冷凍保存をして電子レンジで解凍・温める」という方法でもかなりおいしさが保てるようです。

ただ長期の冷凍保存は、味が悪くなり、3日後くらいまでが食べごろと考えた方がいいでしょう。

 

検証の結果、一番おいしい方法は、最新技術に頼るものではないことが明らかになりました。

それは日本の伝統的な「木のお櫃」による保存だったのです。

つい数十年前まで日本の家庭では、朝にかまどでご飯を炊いて、残ったご飯をお櫃で保存するのが普通でした。

ただこれだと、夜には冷めてしまうので、冷や飯から湯漬けで食べたものです。

 

木のお櫃はご飯の粗熱を取り、味が締まり、お櫃自体が水分を吸って中の湿度が一定になります。

そのためべとつかず、ふっくらとしたご飯になるのです。

炊いてから1、2時間たったお櫃のご飯は、炊き立てよりおいしいという声もあります。

 

ということでベストな保存方法は炊きたてをお櫃に移すということです。

そして食べる時に電子レンジで加熱するのです。

[surfing_su_box_ex title="村嶋孟"]

(1930~)食い倒れの町・大阪で、すさまじい人気を誇る大衆食堂「銀シャリ屋コゲ亭」の創業者。

中国商務省の招きで、2016年5月に北京に移住し、飯炊きの技術を伝える活動を行っていたが、2017年に帰国。その後は、再び大阪で店に立つ毎日を送っている。

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