体重45kg以下の人は20歳を超えても小児扱い。
体重45キロ、年齢20歳の女性が薬を飲もうとしていますが「成人」のほうではなく「小児」の分量を口にしようとしています。
「それでは効果がないよ」と言うと、「私はこちらのほうが正しい分量なの」と、いかにも確信ありげに答えたそうです。
これはズバリ彼女の言う通りで、内服薬の「用法・容量」には「成人(15歳以上)」と記されていますが、15歳以上でも、成人の用量では多すぎる場合があるのです。
というのも、薬の適量はその人体表面積で決まるので、本来、年齢とは関係がないからです。
それをなぜ年齢で表記してあるかというと、自分の体の表面積を知っている人が少ないうえ、測るのも難しくて実用的ではないという理由からです。
つまり、成長すれば体表面積も増えるはずで、その目安に年齢を用いた方が合理的というわけ。
15歳になれば体格も内臓器ももう成人並みに発達しているはず。
ここで区分けしても支障はないということで、諸外国もほとんど同じ考え方をします。
この「15歳以上」という区分けには、実は「体重50キロ以上」という条件も付いています。
彼女の場合は45キロで、この条件に合わないために小児でいいのだということです。
体重の条件が表記されず、省略されているのは、市販薬はもともと薬品そのものの量を非常に少なくしてあることと、たとえ50キロ以下であってもほとんどが50キロに近い体重の人のはずなので、安全とされ、わざわざ表記する意味がないという考えからです。